販売代行とは何か
販売代行とは、主にアパレル業界で代行会社と店舗を持つ企業が契約を結び代行会社がスタッフの配置、店舗運営等をするサービスです。
販売代行と派遣業者の違い
派遣は派遣会社に登録している人材を紹介してもらい、店舗を持つ企業が有期雇用します。そして店舗で教育などをして業務に就いてもらいます。
一方販売代行は、販売代行会社が雇用している販売スタッフを店舗に配置します。
販売代行会社が雇用しているため労務管理や指示出しは代行会社が行います。逆に店舗を持つ企業の従業員は店舗スタッフに直接指示をすることができなくなります。
販売代行手数料について
販売代行を利用する際の手数料についてはいろいろなパターンがありますが基本的には売上見込み額の10%~20%程度が相場です。
販売代行を利用するメリット
販売代行を利用することで以下のようなメリットが得られます。
コスト削減になる
人件費に関しては、新人教育から始めるとコストだけでなく教育するためにベテラン従業員の時間と労力が必要になります。
アパレル業界は離職率が高く教育が終わって戦力になるころに退職するということも珍しくありません。
販売代行では販売代行会社が即戦力の人材を配置するため教育に関するコストが削減できます。
固定費に関しても削減できる可能性があります。自社で運営し続けていると培ってきたノウハウやマニュアルで固められて気づかない内に、必要のないことへお金や時間を使っている場合があります。
このように販売代行を利用することによって無駄に気づくことができる場合もあります。
優秀な人材確保
優秀な人材を確保しようとすると求人媒体などに多額の金額を支払う必要があり、面接などの採用活動に時間を割く必要があります。
さらに雇用する際にも他の従業員と比べて高い給料を支払う必要があります。
さらに離職してしまう可能性も常に付きまといます。
販売代行を利用すれば販売代行会社が雇用している優秀な人材を配置してもらえるので人材について悩む必要がなくなります。
ブランディングになる
業界に精通している第三者が働くことによって自社の従業員では気づくことのできなかった競合他社と比べた際の良い部分や、悪い部分を知ることができ自社の価値を上げることができます。
この点も販売代行ならではのメリットです。
販売代行を利用するデメリット
販売代行はとても便利で有用なサービスですが状況によってはデメリットが発生する場合もあるので注意していただきたい点を紹介します。
指揮命令権がなくなる
販売代行を利用した場合に店舗で働いているスタッフは販売代行会社に雇用されています。
そのため店舗を持っている企業の従業員が直接店舗で働いているスタッフに指揮命令をすることができなくなります。
何かをしてもらいたい場合は販売代行会社を経由して伝えなければなりません。人材派遣で雇用している場合はこの限りではありません。
運営の実態がわかりにくい
基本的に店舗運営の全てを代行販売会社に委託するので自社の人間が普段の運営状況を見る機会が少なくなります。
そのため想定していた運営状況と異なる場合があります。
できるだけ定例会などを開催し運営に関してのお互いの意見などをすり合わせてすれ違いが起きないように注意しましょう。
販売代行会社を選ぶポイント
現在は販売代行を行っている会社は多くあります。そのため依頼する会社によっては望んでいるサービスを受けることができない可能性があります。
実績の確認
販売代行会社はホームページなどで実績やどのようなサービスを行っているかを公開している企業も多いです。
実績などを確認して満足のいくサービスを受けることができるかを確認することで販売代行サービスを利用する場合の失敗を減らすことができます。
エリア特性の知見
店舗運営に関してはエリアによっては運営方法が全く異なります。
都市部なのか、住宅街なのか、近隣に競合の店舗が存在するか、どのような客層が多いのか、休日と平日の来店数などそのエリアごとの特性があります。
自社で新店舗を作る場合なども悩みになることは多いと思います。そのため様々なエリアで店舗運営の経験がある販売代行会社を選ぶとよいでしょう。
柔軟な対応
販売代行会社の対応が柔軟であるということはとても重要で、商談をする際に定例会などの話をして断ったりする会社は意見のすり合わせができずに最終的にトラブルに発展する可能性があるので注意しましょう。
手数料に関しても相場にとらわれずに自社の業務内容に合った提案をしてくれる会社もあります。そのため複数の見積もりを出してもらいしっかり商談して販売代行会社を決定しましょう。
自社のコスト削減やブランディングなどのために販売代行会社に依頼するので、質の低い販売代行会社を利用してしまい逆効果になってしまわないように慎重に販売代行会社を選びましょう。