先端技術産業とは?国内・海外の先端技術産業の「今」を紹介します。
先端技術産業とは、具体的にどのような領域のことを指すのでしょうか。
国内・海外問わず、日夜、先端技術を使った製品は開発されています。
今回は、先端技術産業の定義や、国内で先端技術産業が盛んな地域、海外の先端技術産業の今について、紹介します。
先端技術産業とは
「最先端技術」の定義とは何だろう…?
先端技術産業とは最先端の技術によって工業製品などを生産する産業を言います。ハイテク産業とも言います。
日本は資源に乏しい国であるため技術の開発はとても重要で現在も多くの企業が日々新しい技術を生みだしています。
先端技術産業の形態
外務省は先端技術産業を航空・宇宙、事務機器・電子計算機、電子機器、医薬品、医用・精密・光学機器としています。
この5つから細分化され、先端技術産業は多岐にわたります。
先端技術産業の盛んな地域(国内)
他にも日本では多くの地域で先端技術産業に注力しています。
半導体産業(IC工業)の形態
電子部品である半導体を生産し販売する産業で、「IC」と呼ばれる集積回路を生産するための工業を指します。小型で軽量のため1つ当たりの輸送コストは0に近くなります。そのため人件費や土地の価格が安く、空港や高速道路に近いなどのアクセスの良さを重視して工場を建て、生産されることが多いです。
アナログ半導体とデジタル半導体があり、アナログ半導体は連続的なデータを扱い、デジタル半導体は段階的なデータを扱います。
半導体産業(IC工業)の盛んな地域(国内)
国内の主なIC工業の集積地は東北地方(シリコンロード)・九州地方(シリコンアイランド)が有名です。ちなみにシリコンとはICの基盤となる物質です。
2つの地域に共通することは、東京都と比較して人件費が安いこと、土地が安いこと、きれいな水が手に入ることが大きな要因です。
なぜきれいな水が必要かと言うと、半導体はとても小さく布などで拭くことができないため水で洗い流す必要があります。しかし不純物の混ざった水では半導体に不純物が付着するため、限りなくH₂Oに近づけた「超純水」という水を作る必要があります。超純水を作るためにきれいな水が必要となるのです。
九州の熊本県には半導体最大手のTSMCが子会社を設立し、新工場を作るので九州では半導体がさらに盛んになるでしょう。
IT産業の形態
ITとは「information technology」のことでありコンピュータ・インターネット・情報インフラなどを利用した情報技術のことです。
主にハードウェア産業とソフトウェア産業に分けることができます。
先端技術産業というくくりではソフトウェアが主に取り上げられます。
現在、ITは情報や知識の共有に重きを置いたICT (information communication technology)と呼ばれることが多くなりました。
IT産業の盛んな地域(国内)
IT産業の盛んな地域は東京都・渋谷です。一度は勢いがなくなった時期がありましたが、グーグルは渋谷に戻り、現在は大手の上場企業が集まって渋谷を活性化させるプロジェクトをしており、渋谷はITの集積地となっています。
新潟県も次世代技術の支援やIT企業誘致のために、ITイノベーション拠点「NINNO(ニーノ)」を開設しています。NINNOには7社が入所しており、将来新潟県が日本のシリコンバレーになるかもしれません。
海外の先端技術産業
アメリカの先端技術産業
アメリカの先端技術産業の集積地と言えばサンベルトです。その中でもシリコンバレーが有名です。シリコンバレーに企業が集まった理由は温暖で広くて安価な土地、安い人件費、豊富な資源があったことが大きな要因です。
アメリカはITにおいて世界の最先端であるといわれています。その理由はIT技術者の憧れであるシリコンバレーに国内からも海外からも優秀な技術者や企業が集まります。シリコンバレーにはスタートアップから超有名企業まで様々な企業があります。その中で競い合い質を高めていくので必然的に最先端であり続けます。
ヨーロッパの先端技術産業
ITに関してはエストニアが有名です。エストニアは「電子政府」という取り組みを行っており、行政サービスのほとんどが電子化されています。電子政府によって多くのことがオンライン上で完結するため「世界最先端の電子国家」と呼ばれています。
エストニアには海外の企業が参入することやスタートアップ企業が多く設立されます。
その理由は3つあります。
・EU市場に参入できる ・税金面で優遇されている
という点です。
法人登録についてはオンラインで完結するため数時間あれば可能です。エストニアはEUの加盟国なのでEU市場に参入できるため国際的に事業を発展させるにはメリットです。
税金面に関しては、配当を出さない限り法人税が課税されることがありません。配当金に課税される額も日本と比べて半分程度です。
このため海外からの企業が参入しておりエストニアはこれからも大きな発展を遂げるでしょう。